【貴重な体験】オーストラリアの大きな移民問題「アサイラム・シーカー」を知る。
こんにちは、7です。
今日は私がオーストラリアでした貴重な体験をご紹介させていただきます。
オーストラリアの大きな移民問題「アサイラム・シーカー」を知る。
オーストラリアの産業トップ3に入る移民ビジネスですが、オーストラリアではこの「移民問題」が年々大変深刻な問題になっています。
「アサイラムシーカー」とは
その中の一つが「アサイラム・シーカー(Asylum Seeker)」。日本人には聞きなれない言葉ですが、
''Asylum'' 避難所、隠れ場、亡命
''Seeker'' 探す人たち(Seek:探す)
という意味です。
Refugee(避難民)との違いは?
- Refugee・・・法律の下に認められた避難を必要とする人
- Asylum Seeker・・・受け入れ先に認められる前の避難民、亡命申請者
なぜ問題になっているの?
自国の戦争で命の危険にさらされた彼らは、オーストラリアに渡ってきます。
多額のお金を払って100人定員の船に300人くらい乗り込むくらい、劣悪環境の中で長い時間をかけて受け入れ先の国にやってきます。大体の船は現地にたどり着けずに途中で船が沈没して、亡くなる人が多いのが現実です。オーストラリアに滞在中はどこどこの海で船が沈んで何人が亡くなったというニュースばかりでした。
ようやくたどり着いたとしても以前は移民ウェルカム!だったためどんどんビザ(避難民ビザ)を出して受け入れていたのですが、現在は多く受け入れすぎたため、調整がかかって避難民の認定、ちょっと待ってて!と認められずにいるのが要するにアサイラムシーカー。オーストラリアには約30,000人ほど存在しています。
こうして難民と認められるのを待つ間はひとつの施設から一歩も出られません。まだ未来があるこどもたちでさえ、ほとんどは学校にもいけず、一応公的には4年ほどでビザが出るかどうか決めないといけないという決まりはあるものの、長い子では5年以上アサイラムシーカーディテンションセンターで承認されるのを待っています。
アサイラムシーカーたちを受け入れることによって国の治安が乱れる可能性があることや、難民を装ってくる偽物も横行してることや、この移民問題のせいで国民や留学生の税が高騰してしまうため、すぐに解決できる問題ではないのは間違いありません。
アサイラムシーカーとの出会い
このアサイラムシーカーディテンションセンターで、「子供達にダンスを披露しないか?」と、ダンス仲間たちから声をかけてもらいました。
ぜひ簡単なもので構わないから子供達のためにショーケースをやって欲しいと、センターのイベント企画書からお声がかかったとのことでした。
子供たちにどんな顔して会っていいかわからず、参加するまで、むしろ数分前のバックヤードまで、心配で複雑な心境でした。
が、私たちが登場した瞬間の子供達の高揚感に驚かされました!ここで何年も何年も承認される日を待ってるとは思えないくらいのパワーで喜びを表現してくれました。
ショーケース後は、子供たちも一緒になってみんなで踊りあったのですが、これがまた驚きで、こどもたちわたしたちより全然「ダンス」を心の底から楽しんでいたなという印象でした。
とてもシャイな国民性の日本人と違って、何歳かもわからないような本当に小さい子供達が進んでサークルの真ん中で踊って、僕・私が一番だ!!って言い張る姿には本当に面食らいました。
終わった後も予定外のアンコールを貰ったり、最後にはやだ!行かないで!なんてくっついて来てくれて、可愛くて可愛くて。。
最後にリーダー的な存在の子に「See you in Melbourne!(またメルボルンで会おう!)」 なんてハグされて、なんとも言えない気持ちでいっぱいになりました。。。ここまで意味の深いSee youは初めてでした。
ここで会った子達はその中のほんの一握りの子たちなんだなと思うと、余計に複雑でした。この中の何人が、晴れて外に出ることが出来るようになるのでしょうか?また何人が国に強制送還されることになるのでしょうか?
この経験から学んだこと
ダンス(エンターテイメント)は本当にその状況の根本から救ってあげることは出来ないんだと言う事実を受け入れないとねという話を友達としながら帰りました。
その友達は「学校に行けないからって嘆くんじゃなくて、今自分がこの状況で出来て、それでいて好きなこと一個でいいから一生懸命努力したら、絶対いい未来が待ってるよ、 って伝えてきたよ」って言うのを聞いてとても共感しました。私も、今思えば何か大事なことを伝えて来れればよかったけれど、言葉はなくても、その時を一生懸命踊ってきたので、まず悔いはないなと思います。
メルボルンで出会ったダンサーたちは彼らのダンスはもちろん最高でしたが、それよりも彼らのパーソナリティーが素晴らしく みんなそれぞれの確固たる解釈を持っていましたし、与えられた状況の中で自分がどう動けばその子達がベストで喜んでくれるかをちゃんと瞬間瞬間考えて行動して、動いていたという印象でした。
やはりダンスを越えて飛び抜けた部分があるからこうやって1ダンサーとしてシーンを牽引しているのだなという、とても刺激になったイベントでした。
アサイラムシーカーについて調べてみる
オーストラリアではこのほかにもアサイラムシーカーを学ぶ機会はたくさんあります。学校でも授業で触れたり、NPO団体も多くあるので、気になった方はぜひ調べてみてください。(インターネットではなかなか日本語で説明されているサイトはないのですが。。。)
あれから3年たったいまでもアサイラムシーカーは重大な問題です。我々のようなワーホリ民や学生も立派な移民の一人なので、たとえ滞在は短くても、自分が住む国や土地の歴史や問題については少しでも勉強してみることをオススメします。
以上、7でした。